Coffee033 コーヒーがなぜ世界で飲用されているのかの歴史を解き明かす

このブログでは、コーヒーのなぜという疑問を追求した記事にしたい。数多あるコーヒーの教材、コーヒーのブログには素晴らしいコーヒー知識の答えが導き出されている。それらを捩ったブログにしても良いのだが、コーヒーを生業としているBeans Baseとしてはコーヒーの教科書をブログで作るのではなく、コーヒーの教科書に書かれていて、尚且つ明確に答えが導き出されてない疑問を解消したい。コーヒーは飲料であるため、100人居れば100通りのコーヒーの答えがあるのだが、それでも科学で解き明かされるコーヒーの分析は進んでいて共通認識されたコーヒーの味わいがある。それでも、カフェという現場で起こった、そして経験したコーヒーの疑問を、さらにこのブログでは紐解いていきたい。

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なぜ世界中でコーヒーが存在するのか

コーヒーが世界中で広く愛されるようになった背後には豊かな歴史があります。その始まりは、アフリカのエチオピア高原にあると言われています。伝説によれば、9世紀頃、羊飼いのカルディが偶然コーヒーチェリーを発見し、その苦味を持つ種子を食べたところ、活力を得たという逸話があります。

その後、コーヒーはアラビア半島で栽培・利用されるようになり、15世紀にはイエメンでコーヒーの栽培が本格化しました。アラビア商人たちがコーヒーを運び、コーヒーハウスが広まったことで、中東からトルコ、ヨーロッパへと拡がりました。

17世紀にはコーヒーが欧州の上流階級に愛飲され、コーヒーハウスが社交の場として栄えました。そして、コーヒーの人気は急速に広がり、18世紀には世界各地で栽培が試みられるようになりました。

コーヒーは奴隷制度や植民地経済とも結びついており、南アメリカやカリブ海のプランテーションで大規模に栽培・収穫されるようになりました。これにより、コーヒーは世界の経済を形成する重要な商品としての地位を確立していったのです。

19世紀にはコーヒーの栽培がアジア諸国にも広がり、特にブラジルが世界最大のコーヒー生産国として台頭しました。さらに、技術革新によりコーヒーの製法が進化し、インスタントコーヒーやエスプレッソなどの飲み方が広まりました。

20世紀に入ると、コーヒーは大衆化し、世界中の多くの人々が日常的に楽しむ飲み物となりました。現代では、コーヒーカルチャーは多様化し、さまざまなスタイルやフレーバーが楽しまれています。

コーヒーが世界中で愛される理由は、その複雑な歴史と文化にあります。コーヒーは社交の場、仕事の休憩、リラックスタイムなど、人々の生活に深く結びついているからこそ、世界中で存在し続けているのです。

参考記事:

アフリカのエチオピア高原とはどこ?

アフリカのエチオピア高原は、エチオピア国内に存在する高地地域のことです。エチオピアは東アフリカに位置し、高原部分は国の中央部に広がっています。エチオピア高原は標高が高く、肥沃な土壌や適度な気候条件が整っており、これがコーヒーが育ちやすい環境を作り出しています。

コーヒーの原産地として有名なエチオピア高原では、多くのコーヒーの品種が自生しています。エチオピアでは、コーヒーチェリー(コーヒーの果実)が野生のコーヒープラントに成長しており、地域ごとに異なるフレーバーや風味を持つコーヒーが自然に発生しています。これらの自生のコーヒープラントは、遺伝的に多様で、コーヒーの品質向上にも重要な役割を果たしています。

エチオピア高原の気候は、涼しい夜と暖かい日中の温度差が大きい「高地性気候」と呼ばれる特徴的な気候です。これにより、コーヒーチェリーがゆっくりと成熟するため、豊かな風味が生まれるとされています。

また、エチオピア高原では降雨量も豊富であり、それによってコーヒーの栽培に必要な水を十分に確保することができます。適度な降雨と日照りのバランスが、コーヒーの収穫量や品質に大きな影響を与えています。

これらが、エチオピア高原をコーヒーの生育に適した地域にしているのです。エチオピアはコーヒーの原産地であり、世界中のコーヒー産業に大きな影響を与えているだけでなく、多くのコーヒーエンスージアストにとっても魅力的なコーヒーの宝庫とされています。

羊飼いのカルディが偶然コーヒーチェリーを発見し、その苦味を持つ種子を食べたところ、活力を得たという逸話の背景

羊飼いのカルディによるコーヒーの発見にまつわる逸話は、エチオピアのコーヒーの伝説として広く知られています。この逸話は口伝によって語り継がれ、正確な事実とは言い難い部分もありますが、コーヒーの起源を伝える興味深い物語として愛されています。

伝説によれば、カルディは紀元前9世紀頃、エチオピアのカッファ地方で羊飼いをしていたとされています。ある日、カルディの羊が特に元気がなく、食欲も失せてしまいました。そこで、カルディは羊に何が原因かを探ろうと、羊が食べた草や果物を見て回りました。すると、カルディはコーヒーチェリーを見つけます。それは赤い果実であり、興味本位でその苦味を持つ種子を口にします。すると、カルディ自身もその苦味に驚くと同時に、エネルギーと活力を感じたと伝えられています。

この体験から、カルディはその苦味を持つ種子が特別なものであることに気付きました。彼はこの発見を地元の修道士に伝え、その修道士はコーヒーチェリーの種子を煮沸して飲み物を作ったところ、その苦味と香りに喜び、体が活性化されたという記述が残されています。

こうして、コーヒーチェリーの種子を煮出すことでコーヒーの飲料が誕生し、エチオピア高原でのコーヒーの利用が始まったとされています。この逸話は、コーヒーの歴史的な起源を物語る伝説的なエピソードとして、世界中で広く愛されています。

なぜコーヒーはアラビア半島で栽培・利用されるようになったのか

コーヒーがアラビア半島で栽培・利用されるようになったのは、その起源がエチオピアのアフリカ高原にあることと、アラビア半島がコーヒーの栽培・利用に適した気候条件を持っていたことが主な要因です。

コーヒーの起源は、伝説によればエチオピアのカッファ地方の高原地帯とされています。そこで自生していたコーヒープラントが、地域の住民たちによってコーヒーチェリーを収穫・利用されるようになりました。このコーヒーの利用法や栽培技術は、隣接するアラビア半島にも伝わることとなります。

アラビア半島は、コーヒーの栽培に適した気候と土壌条件を備えていました。コーヒープラントは標高の高い場所を好み、アラビア半島の山岳地帯や高地で栽培されることが一般的でした。また、涼しい夜と暖かい日中の気温の差が大きい高地性気候が、コーヒーチェリーの成熟を促進し、コーヒーの味や風味を豊かにするとされています。

さらに、アラビア半島は降雨量が適度で、十分な水が確保される地域もありました。コーヒーは水が必要な作物であり、適度な降雨があることは栽培にとって重要な要素でした。

これらの要因が重なり、アラビア半島においてコーヒーの栽培と利用が広まりました。コーヒーはアラビア半島で重要な経済的な作物となり、商業的な交易にも活用されるようになりました。さらに、アラブ文化の一部として、コーヒーハウスが社交の場として栄え、コーヒーはアラブ社会にとって重要な役割を果たすようになったのです。その後、コーヒーはアラビア半島からトルコ、ヨーロッパへと広がっていき、世界中で愛される飲み物となりました。

アラビア商人たちがコーヒーを運び、コーヒーハウスが広まるまでの歴史

アラビア商人たちがコーヒーを運び、コーヒーハウスが広まるまでの歴史は、コーヒーの普及と商業化の興味深い段階を示しています。

15世紀初頭: コーヒーのアラビア半島への拡がり

コーヒーの栽培がエチオピアからアラビア半島へと伝わりました。ヤフーブ・イブン・サイードが現在のイエメンのイェメン川流域にコーヒーの栽培を広めたと言われています。この時期、コーヒーは主にイエメンで栽培され、コーヒー豆の加工方法が確立されました。

15世紀後半: コーヒーのムスリム社会での普及

コーヒーはイスラム教徒の間で広まり、特にスーフィズム(イスラムの神秘主義)の集会などで用いられました。コーヒーは、長時間の祈りや瞑想の際に眠気を防ぐ効果があるとされ、宗教的な儀式と結びつけられました。

16世紀初頭: メッカとコーヒー

メッカはイスラム教徒にとって重要な聖地であり、そこでコーヒーが広まりました。コーヒーはメッカに巡礼に訪れる人々によって各地に広められ、その人気が拡大しました。

16世紀中頃: イスタンブールでのコーヒー文化

コーヒーはオスマン帝国(現在のトルコ)にも伝わり、イスタンブールで最初のコーヒーハウスが開かれました。コーヒーハウスは、知識の交換や文化的な活動の場として重要な役割を果たし、多くの人々に親しまれました。

17世紀: ヨーロッパへの拡がり

コーヒーはアラビア商人たちによってエジプトを経由してヨーロッパへと運ばれ、特にヴェネツィアなどの港湾都市で広まりました。ヨーロッパでは、コーヒーは上流階級の間で高く評価され、コーヒーハウスが各地に開かれるようになりました。

コーヒーハウスは知識の交流や文化の中心地として、さまざまなアイデアや政治的な議論の場として発展しました。17世紀末には、イギリスのロンドンに最初のコーヒーハウスが開業し、英国の社会にも広がっていきました。

こうして、アラビア商人たちによるコーヒーの運搬とコーヒーハウスの普及が、コーヒーの世界的な普及と文化的な重要性を築いたのです。それ以降、コーヒーは世界中で広く愛され、現代に至るまで多くの人々にとって欠かせない飲み物となっています。

特にブラジルが世界最大のコーヒー生産国として台頭した理由

ブラジルが世界最大のコーヒー生産国として台頭した理由はいくつかあります。

  1. 地理的条件: ブラジルは広大な面積を持つ国であり、地理的にも多様な条件が揃っています。ブラジルの一部地域は、コーヒー栽培に適した標高、気候、土壌条件が整っています。特に、サンパウロ州、ミナスジェライス州、エスピリトサント州などの南東部地域は、理想的なコーヒー栽培地帯として知られています。
  2. 歴史的背景: ブラジルは19世紀初頭にコーヒーの栽培を本格化させました。スラベ制度が廃止された後、ブラジル政府は労働力として移民を大量に受け入れ、特にイタリア人、ドイツ人、日本人などがコーヒー農園で働くこととなりました。この労働力の増加がコーヒーの生産を促進し、ブラジルが世界的なコーヒー生産国として成長する契機となりました。
  3. 産業化と技術革新: ブラジルはコーヒー生産を効率化し、大規模なプランテーションを作ることに成功しました。農業技術の改善や機械化の導入により、コーヒーの栽培と収穫が効率的に行われるようになりました。また、農薬や肥料の使用なども進んでいるため、多くのコーヒー豆を生産できるようになりました。
  4. 世界市場への参入: ブラジルのコーヒー生産は、19世紀末から20世紀初頭にかけて、世界市場での需要の増加とともに拡大していきました。ブラジルは他の国々と競争しつつ、コーヒーの大規模な生産と輸出を行い、世界市場において安定した地位を築いたのです。

これらの要因が重なり、ブラジルは世界最大のコーヒー生産国として台頭しました。ブラジルのコーヒー産業は今日でも世界的に重要であり、多くの国々にコーヒーを供給しています。

インスタントコーヒーが世界に与えた衝撃

インスタントコーヒーの登場は、世界に大きな衝撃を与えました。以下に、その主な衝撃をいくつか挙げてみます。

  1. 簡便性と便利さ: インスタントコーヒーは、従来のコーヒーと比べて短時間で調理できるため、忙しい現代社会において大変便利です。ただお湯を注ぐだけで手軽にコーヒーを楽しむことができるため、多くの人々に受け入れられました。
  2. コーヒー文化の普及: インスタントコーヒーは、高価なエスプレッソマシンやコーヒーメーカーを持っていない人々にも手軽にコーヒーを楽しむ機会を提供しました。これにより、コーヒー文化がより広く普及し、多くの家庭でコーヒーが日常的な飲み物となりました。
  3. コーヒー産業への影響: インスタントコーヒーは保存性が高く、輸送コストが低いため、コーヒーの輸出と国際的な取引に影響を与えました。コーヒー生産国はインスタントコーヒーの需要に応えるために新たな生産方法を採用し、輸出市場の多様化に対応するようになりました。
  4. カフェ文化との関係: インスタントコーヒーの登場により、カフェ文化においても変化が生じました。カフェでは、コーヒーの味や品質にこだわる文化が根付いていますが、インスタントコーヒーの普及により、カフェで提供されるコーヒーに対する期待や要求が高まったとも言われています。
  5. 環境への影響: インスタントコーヒーの普及により、コーヒーの栽培から消費に至るまでのプロセスに変化が生じました。コーヒーの生産・加工・輸送にはエネルギーや資源が必要であり、その過程で環境への影響が懸念されるようになりました。

以上のように、インスタントコーヒーの登場はコーヒー文化やコーヒー産業に大きな変革をもたらしました。一方で、コーヒーの普及と利便性による社会的な影響や環境への課題にも目を向ける必要があります。

どんなコーヒーカルチャーがある?

コーヒーカルチャーは世界各地で多様な形を取っています。地域や文化によって異なるスタイルや伝統がありますが、以下にいくつか代表的なコーヒーカルチャーを挙げてみます。

  1. イタリアのエスプレッソ文化: イタリアはエスプレッソが根付いた国で、短時間で濃厚なコーヒーを楽しむ文化があります。カフェでエスプレッソを味わうことは、社交の場として重要な役割を果たしており、休憩時間には多くの人々がカフェに訪れます。
  2. トルコのターキッシュコーヒー: トルコはコーヒー文化の起源地とされ、ターキッシュコーヒーと呼ばれる独自のスタイルがあります。超微粉砕したコーヒー豆をお湯と砂糖とともに煮出し、泡立ったコーヒーを小さなカップで楽しむのが特徴的です。
  3. エチオピアのコーヒーセレモニー: コーヒーの原産地であるエチオピアでは、コーヒーセレモニーが大切な文化的な儀式として行われます。新鮮なコーヒーチェリーを調理し、香り高いコーヒーを振る舞う儀式は、親しい人々との交流の機会でもあります。
  4. 日本のサードウェーブコーヒー: 日本では近年、サードウェーブコーヒーと呼ばれるコーヒームーブメントが広がっています。品質にこだわったコーヒーの醸造方法や、バリスタの技術に重点を置くスタイルが特徴的です。カフェでのコーヒータイムは、高品質なコーヒーをじっくり味わう贅沢な体験として人気です。
  5. アメリカのコーヒーショップカルチャー: アメリカでは、コーヒーショップが社交の場として重要な役割を果たしています。特にスターバックスの成功により、様々なコーヒーショップが街中に広がり、多様なコーヒーメニューやカフェ文化が根付いています。

これらは一部の例であり、世界各地にはそれぞれ独自のコーヒーカルチャーが存在します。地域や文化によって異なるコーヒーの楽しみ方や習慣があり、それぞれがコーヒーを愛する人々にとって特別な意味を持っています。

まとめ

アフリカのエチオピア高原から羊飼いのカルディが偶然コーヒーチェリーを発見し、その苦味を持つ種子を食べたところ、活力を得たという逸話の背景を口切に、なぜコーヒーはアラビア半島で栽培・利用されるようになったのかそして、栽培されたコーヒーをアラビア商人たちがコーヒーを運び、コーヒーハウスが広まるまでの歴史を見ていきました。コーヒーハウスは世界中に広まり、世界中で様々なコーヒーカルチャーが生まれたようですね。

参考文献

こんにちは、皆さん!コーヒー好きの皆さんに朗報です!今日は、私がコーヒーのブログを書く上で参考にした書籍を紹介します。これらの本は、私自身の知識を深め、より充実したコーヒー体験を提供するために大いに役立っています。ぜひ、ご一読いただき、コーヒーへの情熱を共有しましょう!


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#酸っぱいコーヒーが苦手な店主のコーヒー

Beans Base

投稿者 赤沢 征一郎