Coffee034 コーヒードリップした後の泡は一体何なのか?

コーヒードリップした後の泡は一体何なのか?解説します!コーヒーを淹れると、コーヒーの表面に現れる泡の正体や成分、その役割について探求します。コーヒー愛好家や科学好きの方にとって興味深い情報をお届けします。さあ、泡の謎に迫りましょう!

このブログでは、コーヒーのなぜという疑問を追求した記事にしたい。数多あるコーヒーの教材、コーヒーのブログには素晴らしいコーヒー知識の答えが導き出されている。それらを捩ったブログにしても良いのだが、コーヒーを生業としているBeans Baseとしてはコーヒーの教科書をブログで作るのではなく、コーヒーの教科書に書かれていて、尚且つ明確に答えが導き出されてない疑問を解消したい。コーヒーは飲料であるため、100人居れば100通りのコーヒーの答えがあるのだが、それでも科学で解き明かされるコーヒーの分析は進んでいて共通認識されたコーヒーの味わいがある。それでも、カフェという現場で起こった、そして経験したコーヒーの疑問を、さらにこのブログでは紐解いていきたい。

person pouring coffee on a mug

ドリップするとナゼ泡が出てくるのか。その正体。

コーヒー豆に含まれるガス(主に二酸化炭素)が、ドリップ時に水と接触することで泡が発生します。焙煎されたコーヒー豆は内部にガスが含まれており、ドリップの際にこれらのガスが水と反応し、泡を形成します。

ドリップ時にお湯がコーヒーの粉に触れると、コーヒーの表面に気泡が立ち上がります。この現象を「ブルーミング」と呼びます。ブルーミングが起こる理由は、コーヒー豆に含まれるガスが抽出されるためです。

コロイド分散が原因の場合もあります。ドリップ時に水がコーヒーの粉と触れ合うと、コーヒーオイルや粉末が微小な粒子として分散します。これらの微粒子が水と混ざり合い、泡の形成に寄与します。

水とコーヒーの粉が接触する際に、表面張力の影響も泡の発生に関与しています。表面張力により、水の表面に気泡が形成されるのです。

これらの要因が複合的に作用して、コーヒードリップした後に泡が出てくるのです。泡がコーヒーの香りをより立体的に楽しむ手助けをし、コーヒーエキスの抽出効率にも影響を与えると言われています。なお、泡の多寡や性質はコーヒーの種類や抽出方法、焙煎の度合いなどによって異なることがあります。

コーヒー豆にガスが発生する理由

コーヒー豆にガスが発生する主な理由は、豆の内部に保存されている生物活性物質と、焙煎プロセスに起因する化学反応によるものです。

まず、コーヒー豆は生物活性物質を含んでおり、その中でも最も重要なのがクロロゲン酸です。生のコーヒー豆に含まれるクロロゲン酸は、水と反応してコーヒーの風味を形成するコーヒーエキスへと変化します。この反応は水分と豆の内部の細胞構造が結びつくことで起こります。クロロゲン酸は水溶性であるため、ドリップ時に水と接触すると豆から溶け出します。

次に焙煎プロセスによるガス発生です。焙煎は、生のコーヒー豆を高温で加熱し、内部の構造を変化させる過程です。焙煎により、コーヒー豆内のタンパク質、糖分、脂肪などが反応し、さまざまな化合物が生成されます。特に、アミノ酸と糖分が反応してメイラード反応が進行し、香ばしい風味や色が生じます。この過程で、二酸化炭素(CO2)が生成されることがあります。

コーヒー豆の焙煎度合いによってもガスの発生量が変わります。浅煎りの豆は内部の水分やクロロゲン酸が多く残るため、ドリップ時に豊富なガスが発生します。一方、深煎りの豆は内部の水分が少なくなり、ガスの発生量は相対的に少なくなります。

このように、コーヒー豆に含まれる生物活性物質と焙煎プロセスによる化学反応がガスの発生を引き起こします。ドリップすると、豆の内部のガスが水と反応し、泡として表面に現れるのです。これらのガス成分や反応はコーヒーの風味や香りに重要な役割を果たしており、コーヒー愛好家にとって欠かせない要素となっています。

ブルーミング効果とは?

ブルーミング効果は、コーヒー豆にお湯が注がれる際に、コーヒーの表面に気泡が立ち上がる現象を指します。この現象は、特に新鮮なコーヒー豆で顕著に現れます。

ブルーミングは主に2つの要因によって引き起こされます。1つ目は、焙煎されたコーヒー豆に内包されている二酸化炭素(CO2)ガスです。焙煎された豆は内部にガスが含まれており、これがコーヒーの粉と水が接触した際に気泡として表面に現れるのです。

2つ目の要因は、コーヒー豆に含まれる生物活性物質であるクロロゲン酸と、水との相互作用です。クロロゲン酸は水に溶けやすい成分で、コーヒーの特有の香りや風味に関与しています。ドリップやエスプレッソの抽出過程でお湯がコーヒーの粉と触れ合うと、クロロゲン酸が水と反応してコーヒーエキスが抽出されます。この抽出過程によっても泡が発生します。

ブルーミング効果は、コーヒー豆の新鮮さや品質を示す指標として重要視されています。新鮮なコーヒー豆ほど多くのガスやクロロゲン酸を含んでいるため、ドリップ時に豊富な泡が発生します。一方、豆の鮮度が低下していると、これらの成分が少なくなるためにブルーミング効果が弱まります。

ブルーミング効果はコーヒードリップの初めの数秒間に見られることが一般的ですが、焙煎度合いや豆の種類によって異なることもあります。コーヒーエキスの抽出効率にも影響を与えるため、ブルーミングを意識してコーヒーを淹れることで、より豊かな香りや味わいを楽しむことができるでしょう。

コロイド分散とは?

コロイド分散とは、微粒子が液体(または気体)の中に均一に分散している状態を指します。これは、微小な粒子が液体に完全に溶けることなく、懸濁状態となっている現象です。

一般的な液体の中には、分子が非常に小さな粒子であり、溶けたり混ざったりして均一な溶液を形成します。しかし、コロイド分散では微粒子のサイズが分子よりも大きく、それらの微粒子が液体に均一に分散しているため、透明ではなく混濁した液体となります。

コロイド分散は、粒子のサイズが1ナノメートル(nm)から1000ナノメートルまでの範囲にあると考えられています。これに対して、1ナノメートル未満の粒子は分子と見なされ、1000ナノメートルを超える粒子は懸濁液と見なされます。

コロイド分散は様々な分野で重要な役割を果たしています。例えば、食品業界では乳化剤を使用して乳化コロイドを形成し、安定なエマルションを作り出します。また、医薬品や化粧品などの製造にも利用されており、微粒子の分散性や安定性が製品の品質に影響を与えることがあります。

コーヒーにおいても、コロイド分散が重要な役割を果たしています。コーヒーの粉末は微小なコーヒーオイルやコーヒーの成分が水に分散しており、これがドリップやエスプレッソの際にコーヒーエキスとして抽出されるのです。コーヒーの風味や味わいに影響を与える重要な要素の一つとして、コロイド分散が挙げられます。

コーヒーと表面張力の関係

コーヒーと表面張力の関係は、コーヒーの抽出やコーヒーの表面に現れる泡などの現象に影響を与えています。表面張力は液体の表面に働く力であり、液体分子同士の引力によって表面が引き締まる性質を指します。

コーヒー抽出において、表面張力はエスプレッソやドリップコーヒーのブルーミング効果に影響を与えます。ブルーミング効果では、お湯がコーヒーの粉と接触すると、コーヒーの表面に気泡が立ち上がります。この現象は、表面張力が高い場合により顕著になる傾向があります。表面張力が高いと、お湯とコーヒーの粉との接触が活発に起こり、気泡がより多く形成されるためです。

また、コーヒーの表面に現れる泡も表面張力に関連しています。ブラックコーヒーなどは泡が少ない傾向がありますが、ミルクを加えたカプチーノやラテなどは、乳脂肪が表面張力を変化させ、濃厚な泡が形成されやすくなります。

さらに、コーヒーマシンやエスプレッソマシンなどの機器設計においても表面張力の理解が重要です。水の表面張力を考慮しない場合、抽出が適切に行われず、コーヒーの味や質に影響を及ぼす可能性があります。

総じて、コーヒーと表面張力の関係はコーヒーの抽出や飲用体験に重要な影響を与える要素であり、コーヒー愛好家やバリスタにとって理解することが意義深いと言えるでしょう。

まとめ

焙煎によって、内部のクロロゲン酸が二酸化炭素つまりガスの発生を際立たせているのがよく分かりました。浅煎りでは泡が多く、深煎りでは泡が少ないのはクロロゲン酸の量の差だったのですね。また新鮮なコーヒー豆(焙煎されたばかりのコーヒー豆)にもクロロゲン酸が豊富に含まれているため泡が際立つそうですね。ブルーミング効果自体もコーヒー液上の表面張力によって顕著になっていて複雑な関係で泡がドリップのタイミングで出現していることが分かりました。

参考文献・参考リンク

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